マンホール内部の重量化によるマンホール浮上防止
近年の大規模地震では、下水道マンホールが路上に浮上がり、下水道の流下機能の阻害ばかりか緊急輸送路の車両走行が妨げられる被害が多発しています。このため、マンホールの浮上がり防止の技術開発・実施が急がれています。
しかしながら、防災上の重要度が高い幹線道路ほど車両交通量が多く、施行困難なケースが多いです。
『インナーウェイト工法』は、こうした点を踏まえ、施行の実施を実現することを最優先に考えた構造としました。
『インナーウェイト工法』の特徴
『インナーウェイト工法』の構造
①標準タイプ(パズル型)
一片が10~15cm、重量約10kgの小版で、容易にマンホール内へ搬入できます。これを上下・左右に噛み合わせてマンホールの内壁面へ設置します。施行後の点検等のため、1号マンホールで内径75cmを確保できる小版厚(4.0~6.5cm)・裏込め厚(約1.0cm)としています。
②インバート挿入タイプ
標準タイプをマンホールの内壁面へ設置するだけでは所定の重量に達しな場合は、補助手段として、インバート内へインナーブロックを挿入します。
『インナーウェイト工法』は、組立楕円マンホール、
内径600×900の楕円人孔にも設置できます。
最近では、狭隘な道路や埋設物を避けて人孔を設置する場合も多く、
楕円人孔を1号人孔と同等に重要路線に使用されるため大変有効な工法です。
共同開発者:日本水工設計株式会社
〒104-0054 東京都中央区勝どき3-12-1フォアフロントタワー
TEL:03-3534-5515 FAX:03-3534-5520
URL:http://www.n-suiko.co.jp
液状化による浮上を防止する
既設・新設に対応可能(メンテナンスが容易)
浮上防止マンホールフランジ工法は、財団法人下水道新技術推進機構との公募型共同研究により誕生いたしました。浮上防止マンホール工法は、下水道マンホールの液状化時の浮上防止対策として、社団法人日本下水道協会規格(A-11)の円形0号から円形5号までの既設・新設の組立てマンホールに適用できます。
右画像:新技術研究成果証明書(コピー)
浮上防止マンホールフランジ工法は、マンホールの外周部に凸型形状の部材を設け、浮上抵抗の増加と同時にフランジに重量体金枠を設け、内部に重量体を充てんしてマンホール底面に作用する揚圧力とつり合せ、浮上防止を図る工法です。
浮上防止フランジは、浮上防止マンホールフランジ工法の機能を施すために既設或いは新設マンホールの外周部に凸型形状の部材を設けるための装置です。
重量体金枠は、設置角度60度、70度と、金枠高さh300、600、900の6種類用意されています。重量体は主なものとして、金属製重量体やコンクリート用砕石、高炉スラグ砕石等があり、通常は2種類の重量体を混合して用いれば多様な条件に設置が可能となり、多くの対象マンホールに浮上防止抑制効果を施すことができます。
・0号、1号、2号、3号、4号、5号
・水平動と鉛直動の同時加震での振動台実験により、浮上防止性能が確認されています。
・地震時の地盤沈下に対して、地盤とマンホールに段差が生じにくい追随性を有しています。
《既設マンホールの場合》 | 《新設マンホールの場合》 |
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浮上防止マンホールフランジ工法の施工手順は、設置するマンホールの周囲を開削し浮上防止フランジブロックを設置する。 | 浮上防止マンホールフランジ工法の施工手順は、通常の底版・管取付壁・直壁を設置後フランジ部を取付け、上部の直壁・斜壁・調整・鉄蓋と設置する。 |
1.重量体金枠取付状況
重量体金枠は浮上防止フランジブロックに1枚づつボルトで仮締する。
最後の1枚は重量体金枠越しにボルト締めする。
重量体金枠同士をボルトで連結する。
2.重量体金枠取付完了
連結後にラチェットハンドルやメガネレンチ等で本締めする。
透水シートを重量体金枠内部に設置する。
3.重量体金枠周辺の転圧状況
重量体充てんと重量体金枠周囲の二次埋め戻しは、層毎に原則、同時に敷き均し転圧する。重量体と埋め戻し土が互いの締固めにより緩まないように同時の行う。
重量体の充てんは人力で行う。
4.重量体充てん状況
各層の巻き出し厚さは30cmを原則とするが各自治体で決められた巻き出し厚さがある場合には、それに従う。
充てん時の重量体の間隙は、路面沈下の原因となるので砂等で間詰めする。
5.重量体部設置完了
透水シートを重量体にかぶせ、バンドで止める。